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きのこの山

昨日、約半年ぶりに調査対象の村に行った。村人はみな覚えていてくれて暖かく迎えてくれた。昼ごはんはカエルのスープだった。

乾季の頃に比べると花が増えた。蝶の種類もそれなりに多かった。これまで村で見られなかった蝶(いずれも広域分布種だが)も見られた。チーク林の中で30分ほどサンプリングをしたところ、
アゲハチョウ科6種、シロチョウ科7種、シジミチョウ科8種、タテハチョウ科6種、セセリチョウ科2種がサンプルされた。これに個体数の重み付けをすると、ルートセンサスといって立派な個体数調査法になる。

ナガサキアゲハは♂が出始め、ここに多産する有尾♀は昨日は見られず。
オナシアゲハとシロオビアゲハはすでに多くの♀が産卵を始めており、終齢幼虫もいた。
微妙な消長のズレがあるようだ。

雨季に入ると村人が利用している資源が異なる。乾季には穴に棲む大きなコオロギを掘っていた村人が、いまはキノコを探すのに精を出している。

彼らが利用するキノコは現地名だけで10種を超えており、詳しい種数は今もって不明である。市場から遠く離れたこの村では、キノコが直接現金収入になることは少ないが、雨の後には近所の仲間と連れだってキノコ狩りにいくのである。

唯一、現金獲得手段となるキノコがある。現地名でHet puak(表記はさまざま、へップアッと発音)と呼ばれる、シロアリの塚に生えるキノコは、1キロあたり5ドルもの高値で取引される。気温や雨量など条件がそろった日に突然現れ、2日ほどしか見られないという。なんだかものすごく珍しいキノコである。その幻の?キノコが生えたのがちょうど村を訪れた前日だった。この日ばかりは村外から行商人が来て買い付けていったそうだ。今朝も行ってみたが開いたのしかなく、これは売れないから自家消費だというのを見せてもらうと、白い何の変哲もないキノコだった。ただ、香りだけはとても上品で、キノコ臭さはまったくなかった。

今日はキノコの調査の続きをローカルな食材の集まる郊外の市場で行った。Het puak以外にも8種類(現地名ベース)のキノコが見られた。

この時期の食材昆虫は少なく、2か所でツムギアリの蛹が売られていただけだった。苦労してツムギアリの巣を落としても、1盛り50円。それに比べ1キロ5ドルのキノコの山は市場でも高い食材だった。

パクセにて
by travel-fox | 2010-06-03 19:41 | ラオス