黒潮の流れる島々
日本列島の南側を南から北に流れる海流を黒潮と呼ぶ。
九州地方の海人族はこの海流に逆らい、また利用して、遠くポリネシアの海洋民とも交流していたという。
植物の中には、この海流にのり、日本列島や周辺の島々に分布を広げたものがある。
甲虫にも、流木に入って流されて、分布を広げたという仮説がたてられているものある。
この地域は台風の通り道となっていて、
海流の動きと並行するように、台風は南西から北東へと移動し、
周辺の島々を掠めながら日本列島に上陸する。
この影響を受けやすいのが蝶である。
こうしてみると
黒潮の流れる島々は常に海流や台風の影響を受けており
流動的で不安定である。
そのため移ろいやすく、刹那的である。
だから
訪れるたびに違った顔をもつのかもしれない。
予想を心地よく裏切る何かが渦巻いているのだ。