京都のネブトクワガタ
ネブトクワガタは好きなクワガタの一つである。最大でも3センチそこそこなのに非常にかっこいい。かっこ良さなら、一番だと思っている。
子供の頃から近所でクワガタは採れたが、ネブトは一度しか採ったことがなかった。いるとも思っていなかった。中学生の時(今思うとクワガタブームの初期だった)に手に入れた、そこそこマニアックなクワガタの図鑑には、ネブトはモミの樹液で採れると書いてあった。しかし、近所のポイントにはモミの木なんてなかった。関西では低地の雑木林にモミはない。中部以東の情報をもとに書かれたものだったのだろう。
私が初めてネブトを採ったのは、アラカシに付けられたシロスジカミキリの産卵痕と幼虫が掘り進んでできた傷だった。樹皮がボコボコになっていて、樹液に湿った木くずが出ていた。
ネブトを好きになったのは南西諸島での亜種分化もあった。単純な話だが、いろんな島を渡り歩いて採集する憧れをもった。ヒラタクワガタやノコギリクワガタも同じ理由で好きになった。中学生には到底叶えようのない憧れだったけれど。
今もナラ枯れは進行中で、キクイムシの脱出痕からは樹液が出ており、成虫の餌資源も提供しているようである。