カテゴリ:黒潮の流れる島々( 65 )

居酒屋の主人に、鹿児島ではサツマイモのことをカライモというんですよ、と教えてもらった。中国→鹿児島→本州の順に伝わったイモがそれぞれの伝達元の名をつけて呼んでいたらしい。では中国では何とよぶんだろう? まあ、多分「イモ」だな。多少、乾燥地に生えるとは言え、サツマイモの原産地は中国からそんなに離れていないだろうと思うが。ああ手元に作物起源の教科書がないのがもどかしい。。ネットで調べて適当に書いてもいいが一応私の専門に近いところなのでいい加減なことは書きたくない。本が手元にあるときに書きなおそう。

なんでそんな話になったのかと言うと、居酒屋のメニューに「トビウオのつきあげ」というのがあったのがきっかけである。「つきあげ」=「さつまあげ」だった。鹿児島の人はさつま揚げとは呼ばないということ。つきは多分、「搗き」じゃないかと思う。魚をすりつぶすことが由来なのでは、と思う。これは専門外なのでこのままほっとく。
d0147002_1205737.jpg


昨今のB級グルメ・ブームの、その土地の発祥であろうとなかろうと、我先に地名を冠して売り出そうとする傾向と対照的で面白かった。

屋久島
[PR]
d0147002_184946.jpg
以前から一度食べようと思って食べる機会のなかったカメノテ。
岩場につく甲殻類である。確かにカメのウロコみたいでなかなかグロテスクな見た目だが、中はもっとグロテスクなので中身を確認しようとせず、一息に口の中へ放り込み殻を割るのがいい。もちろん中身の画像はない。強いて喩えるなら、映画『バイオハザードⅣ』のゾンビである。
しかし、味はとてもよい。この出汁で味噌汁を作ったら最高だと思う。

屋久島
[PR]
d0147002_132992.jpg
黒潮といえばトビオウオ。各地で名物料理がある。新島のクサヤは特に有名。
屋久島でもトビウオ漁が盛んで、主要な漁業資源になっている。そのトビウオを使ったラーメンがあったので食べてみた。トビウオの出汁と醤油がよくあっていた。トビウオ1匹分の空揚げが乗っていてボリュウムもあった。
d0147002_164665.jpg
トビッコはなくてもよかったかな。まあ彩りも大事ということで。
右の小瓶はサバの煮汁をさらに煮詰めたような調味料で少し加えるだけでサバ節を効かせたような香りになる。
d0147002_175480.jpg
センジというらしい。

屋久島
[PR]
ネブトを書いたついでに手元にあるノコギリを書いてみようと思う。
まず、日本のノコギリクワガタ属Prosopocoilusは3種類ということになっている。
d0147002_1245449.jpg
左:ハチジョウノコギリクワガタP. hachjoensis、中:ノコギリクワガタP. inclinatus、右:アマミノコギリクワガタP. dissimilis

ハチジョウノコギリの大歯型があったらよかんだが。。
主に書くのは次の2種。

ノコギリP. inclinatus京都市産
d0147002_1251057.jpg
一番見慣れた種。今住んでいる場所では最も身近なクワガタ。

これが九州南部でいくつかの亜種に別れ、これらの保護を目的として三島村で昆虫採集が禁止になったのは記憶に新しい。そして2009年、伊豆諸島南部亜種P. i. miyakejimaensis(阿達2009)が記載された。これは新島・式根島・神津島・三宅島の個体群である。
d0147002_12591943.jpg
ともに新島産

新島の標本が手元にある。(早く展足したい。。)これは街灯の下で採れたもの。この日は3♂1♀が得られている。普通の街灯で採れたので個体数は多いのかもしれない。miyakejimaensisの特徴は大歯型なら「大腮が太く、短く湾曲する」、原歯型なら「小歯が少なく不明瞭」だという。そこまで小さい原歯型は得られなかったので検証のしようはないが、大歯型の大腮や前胸背側縁の特徴は私の標本とも合致する。
同じ遠征で得られた伊豆大島産の標本がこれ。本土と同じくP. i. inclinatus
ということになる。小型の原歯型で、確かに小歯が明瞭である。
d0147002_139646.jpg



アマミノコギリP. dissimilis 奄美大島産
d0147002_12533928.jpg
トカラ以南の原名亜種。大型になる。個人的にはこの大腮の鋸歯が好き。

この亜種で有名なのはトカラ列島産P. d. tokaraensisで、こちらも十島村での採集が禁止されたので、飼育されたものしか所持していない。
d0147002_1311101.jpg
美しさでは日本産クワガタムシの中でも上位に入ると思う。トカラの島間でも変異があるらしい。種群の中では体サイズは小さいほう。同じサイズの奄美大島産P. d. dissimilis と比べると、このサイズでも奄美産は中歯型である。
d0147002_1316674.jpg


藤田(2009)は伊平屋島からP. d. hayashiiを記載している。南西諸島のクワガタは奥が深い。

阿達直樹, 2009, 伊豆諸島産ノコギリクワガタの1新亜種の記載, むし(463)34-37.
藤田 宏, 2009, 沖縄県伊平屋島におけるアマミノコギリクワガタの1新亜種, むし(463)38-39.
[PR]
ヤマトシジミを見ていると、たまに紋がおかしな個体が交じります。東北では一時期高い確率で、しかもとんでもない異常個体が得られていたようですが。
d0147002_1291493.jpg
ヤマトシジミ♀(屋久島)
[PR]
少し前の写真から。

低地の蝶を探索中、周回道路沿いでギョボクを見つけた。海岸に近い場所にあった。
d0147002_11524915.jpg
d0147002_11525926.jpg
ツマベニチョウの幼虫や蛹を探してみたが見つかる気配がないのでさっさと諦めてしまった。

屋久島
[PR]
d0147002_13431785.jpg
猛禽かネコに腹部を食べられたカブトムシ♂

屋久島はカブトムシの南限地で、茶色っぽい体色と太短い形態が特徴的。雌雄含めて死骸は3回見たが、生きているものは見つけることができなかった。

屋久島
[PR]
d0147002_13304474.jpg
道端に座っていた♂

山の中で出あうヤクシカはそれほど人に慣れているとも思えなかった。
文献によると、ヤクシマザルの群れには、人間に全く慣れず山中で生活するものと、人に慣れ人里近くで生活するものがあるらしい。ヤクシカも2分しているのかもしれない。

屋久島
[PR]
d0147002_21135390.jpg
d0147002_2114450.jpg
道端でコケを食んでいたヤクシカの♂。よほど人に慣れているのか逃げようともせず、少し離れると再びコケを食べていた。都会のカラス並み。ホンシュウジカより体格が小さいので可愛く思えてくる(本州のは許せない)。後で地元の山男から聞いた話にはこの時期のオスは脂が乗ってて旨いらしい。それを知ってれば…。
ちなみに屋久島の農業に被害を与えているもうおひとかたのヤクザるは林道でたまに会う程度。こちらも人に無関心。

屋久島
[PR]
d0147002_21131420.jpg
アマクサギで吸蜜中のモンキアゲハ♀を撮影していると♂がやってきて飛ばしてしまった。どこからともなくもう1♂現れた。
d0147002_21132557.jpg
モンキアゲハ、屋久の空に舞う。おりてきてくれ。

屋久島
[PR]