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採集について

最近、月刊むしのバックナンバーをあさっている。

 虫屋が実践する保全に関するシリーズや、採集に関する法令ガイドが掲載された号を優先的に買っている。

 近年、(特に人気のある)昆虫を取り巻く状況は変化している。虫屋が逮捕された事件が起こっている。法令・条例の改定を知らなければ、気がつけば法を犯していたということにもなりかねない。


 はっきり言えば、僕は虫採りくらいは自由にやりたいと思っている。昆虫も漁業権のように適切な管理のもとで続けることを提案する人もいるが、漁業と昆虫採集では採る目的が違う。食べることを目的とした川虫の採集は漁業権の取得が必要になっている地域もある。しかし趣味の世界で標本作成目的とした採集の場合、異常型その他価値の高い記録など標本が必要なこともある。これが制限されるのは望ましくない。

 標本を作る目的は「記録」あるいは「証拠」を残すことである。「○○で△△を目撃」という証言は残念ながら公的な記録とはなりにくい。よほど鮮明な写真が残っていれば別だが、軽微な異常型などの場合、詳細な写真でもなければ判別が困難なこともある。そしてそのような写真を撮るには採集する必要があることもある(その後リリースするにしても、採集という行為が認められなければ記録を残すことができなくなる)。標本はその証拠として、あるいは今後の比較を含めて貴重な資料となりうる。外見では区別のできない遺伝レベルであれば撮影では記録を残すことは難しい。

 もちろん、必要以上に採集することは戒めるべきだと思う。しかしこの線引きが難しく、いまが個人の裁量に任せているわけである。一方で法令・条例で取り締まる動きも出ている。しかしその動きは足並みがそろわず、検討しなおす方がよいのでは?と思うものもある。また、行政区によって対応が異なる場合、規制のゆるい方への負荷が大きくなることも考慮されていない。

 無用な嫌疑・トラブルを避ける上でも規制の最新の情報を知っておくことはその地にでかける際に必ず必要だと思う。